実家の空き家問題

公開日:2021年12月15日

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街は一気に冬めき、すっかりクリスマスムードですね。この時季になると、昔からずんやり考えるのです、クリスマスから新年への移り変わりの早さを…。日本の年中行事ベスト5を挙げるとすれば、クリスマスと新年はランクインすると思うのですが(※個人の価値観です)、そんな一大ベント×2が、1週間で過ぎ去ってしまうのが勿体ないと思うのは私だけでしょうか…。「クリスマスと新年よ、私を置いていかないで~!」と心のなかで叫びつつ、30ウン年、飽きもせず一握の切なさを胸に秘めながら過ごしているmoriです、2度目の登場です。このコラムを読んでくださっている方々はどんな年末年始を過ごされているのでしょう。“香川県民ならでは”や“我が家ならでは”な過ごし方があるのでしょうか?moriは去年を除き、年末年始は県外の実家で過ごすことから、香川の年末年始に興味深々なので、もし機会があれば大はし住研の橋本さんに伝えてくださいませんか。橋本さんから又聞きしますので 笑

ちなみに、クリスマスが世界一長い国はフィリピンで、なんと9月から2月まで4か月続くそうです。いやいや、長すぎでしょう!

 

クリスマスといえば、先日レオマワールドに行きました。朝イチで入園して、ひと通りまわってからランチバイキングで腹ごしらえし、パレードを楽しみ、イルミネーションを満喫しました。画像は観覧車からの夜景ですが、その美しいこと…!元々、高所恐怖症気味だったのですが、観覧車の下に広がる夜の静寂にきらめく宝石のような景色は、恐ろしさすらかき消してくれる力強さを感じました。レオマワールドのウィンターイルミネーションは来年の2月末頃まで楽しめるそうなので、ぜひ訪れてみてくださいね。

実家の空き家問題

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今週もまた家のお話をひとつ。

先日テレビで、女優の松本明子さんが25年間で計1,600万円かけて維持した実家を売却したという話題を目にしました。両親も東京で暮らしていたため長らく空き家だったそうですが、父親の遺言と墓もあったため、懸命に手入れしていたそうです。それを見て私は、「あの倹約家で有名な女優さんが、そんなにもお金をかけて維持してきたのか」という驚きと、「誰もが他人事ではない話だな」という気持ちになりました。

 

moriの両親は県外の実家で元気にやっていますが、すでに後期高齢者。いつ何があっても不思議でない年齢です。母は「いつでも香川へ移住するよ~」と言っていますが、父はやはり慣れ親しんだ土地を去りづらいようです。心配ですが、今は見守ることが最善の策のようです。

 

話がそれましたが、空き家と言えば、散歩をしていると今にも崩れてきそうな家をちょくちょく見かけます。家もですが、ヒビが入ったブロック塀などを発見すると、地震が起きた時のことを想像してしまい、ビクビクしてしまいます。

 

総務省の統計によると、全国的に空き家問題は深刻化しており、香川県においては平成30年時点で空き家総数は8万8千戸にのぼります。また、住宅戸数に占める空き家の割合は、全国平均が13.6%であるのに対して、18・1%だそうです。2割弱は大きいですね。それに対して香川県内では令和2年度の1年間に約5,000戸の住宅が新築されたそうです。SDGs(持続可能な開発目標)はいずこへ…。

 

空き家の状態で放置されている家が多い理由としては、

①家の解体費用が高い。

②家を解体して更地にすると、固定資産税の優遇措置がなくなるどころか逆に増えてしまう。

③世帯数以上に住宅数が増えている。

④いつか使う日が来るかもしれないから、とりあえず空き家の状態にしている。

⑤相続問題が原因。

④所有者等の特定が困難なため。

 

解体費用が高いにも関わらず、更地にすると税金が上がるのですね。空き家が増えるのも仕方ないのかも。しかし放置すれば犯罪リスクが上昇し、近隣に迷惑がかかるし、何より思い出が詰まった家が朽ちていくのは辛い気がします。

 

もちろん行政もさまざまな対策を講じており、危険な空き家は「空き家対策特別措置法」という法律のもと「特定空き家」に指定され、修繕や撤去の指導、勧告や命令に従わなかった場合は最終的に行政代執行による解体が行われ、費用は持ち主に請求されることとなります。しかも「特定空き家」に指定された時点で、固定資産税の優遇措置の対象外になるんですって。

 

mori家は兄弟全員が県外永住予定のため、何もしなければ実家は空き家になってしまいます。そうならないために、介護、お墓、そして実家について、定期的に家族間で意思確認をしています。敬遠しがちな話題ですが、家族が幸せな人生を歩むためにはとても大事な要素だと思っているからです。両親も少しずつ整理をすすめており、去年2軒所有している自宅のうちの1軒を売却しました。交通機関やコンビニも無いような田舎で心配でしたが、無事売却でき、両親も肩の荷がひとつ降りた、と喜んでいました。実家から遠く、なかなか行く機会がなかったものの、手放すのも心苦しく維持費を払い続けていましたが、住み手が見つかった今は、新しい家族と歴史を刻んでいってくれることへの嬉しさでいっぱいです。

 

大はし住研では、家の買取りも積極的に行っていますし、空き家の見守り管理サービスもしています。所有者の方はもちろん、家族から相談を受けているという方も、実家やマンション、田舎の家など、どうしよう…と本格的に悩む前に気軽に相談してくださいね。いい解決策が見つかりますように。

 

名建築探訪:第二弾

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最後はmoriの独壇場、名建築探訪。今回は「香川県庁」です。設計は丹下健三氏。フジテレビのお台場ビルも氏の設計です。こちらは香川にとどまらず、日本を代表する名建築と言っても過言ではないでしょう。なんてったって、『ニューヨークタイムズスタイルマガジン』で、“最も重要な戦後建築25選”に選ばれているのですから。オペラハウスや国際宇宙ステーションと肩を並べているなんて、凄すぎる、のひと言に尽きます。

また、最近の一番ホットな話題だと、旧館および東館が国の重要文化財に指定されることになり、戦後の庁舎建築では全国初の快挙だそうです。

 

東館のロビーに足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは猪熊弦一郎氏作の大きな陶板壁画。椅子や造作の棚、机も見もので、重要文化財に指定されているものも。重要文化財が普通に使われているというのがびっくりです。

 

見どころは他にもたくさんあるのですが、香川県庁に来たら、新館の最上階・21階からの眺望と、あとは東館食堂もチェックしてみてください。自分で好きなお皿を取るセルフスタイルの食堂は、リーズナブルにおなかいっぱい味わえるし、ノスタルジックな雰囲気もおすすめのポイントです。

 

「灯台下暗し」とはよく言ったもので、コロナ禍のため2年近く香川県から一歩も出られず、日本一小さい県で何しよう…と思っていたのですが結果オーライ、香川県の“足元”に根付く、世界に誇れる底力を再発見できるグッドチャンスだったと、コロナが落ち着いた今、感じずにはいられません。

 

それでは次回、年明けにお会いしましょう。

気が早いですが、皆さま、良いお年を…!!!